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日本ワインを愛する会10周年総会 [イベント]

日本ワインを愛する会10周年総会にて川邉もパネラーとして参加させて頂きました。

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この会にご参加いただいたテイスト&ファン代表の沼田実氏が【日本ワインの価格についての考察】というテーマで会の内容をまとめて頂いた記述がありましたのでご紹介させて頂きます。

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『日本ワインこの10年、そして次の10年へ向けて』という演題で開催された昨晩のセミナー。1時間という短い時間であったが、今後の日本ワインの在り方について、パネリストの方々から説明と提議があり、密度の高い内容となった。

前半と後半の2回に分けたこのセミナー。パネリストの顔ぶれの前半は、弁護士でワイン著述家でもある山本博氏と、ヴィラデストのオーナーで、エッセイストの玉村豊男氏の御二方。後半はモデレーターに、ビストロ ミルプランタンのオーナー五味丈美氏を配置。パネリストに中央葡萄酒の栽培・醸造責任者、三澤彩奈氏、並びに高畠ワイナリーの取締役製造部長、川邉久之氏を迎えてという豪華な布陣の会となった。

色々と興味深い話を聞く事が出来たのだが、前半と後半を通しての共通トピックであり、日本ワイン産業に於いて、重要だと思えたのが、ワインの小売価格に関してだ。川邉氏...がカリフォルニアでのワイン造りの実務を通じて会得した知識として説明したのが、『ワインの小売価格は原料ブドウ価格の約10倍』が妥当だとの事。例えば、小売価格が40ドル/1本のワインの原料ブドウ価格は、4ドルになると言う事である。

ワインの品質はブドウの品質で決定されると言う事は周知の事実だが、収量制限と細やかな栽培作業を行う事で得られる高品質なブドウは、価格も高くなる。現在のナパヴァレーに於いては、10ドル/1kg を超えるカベルネソーヴィニヨンも珍しくはない。

さて、翻って日本の取引ブドウ平均価格だが、甲州種で¥220/1kg-¥250/1kg位。欧州系品種で¥300/1kg-¥400/1kg位。必ずしもブドウの搾汁率が75%ではないので、甲州ワインだとしても、原料ブドウとして¥300/ワイン1本分のコストがかかっている訳だ。『ワインの小売価格は原料ブドウ価格の約10倍』の原則と照らし合わせると、甲州ワインの小売価格は¥3,000となる。

しかし現状では小売価格が¥1,500から¥2,000程度の甲州ワインが市場では主流。つまり、カリフォルニアのワイナリーに比較し、日本ワイン生産者の利益率は低いという事になる。また、その事が流通に於ける輸入ワインと日本ワインとの取引価格体系の違いにもなっており、小売業者や飲食店が『日本ワインを扱っても利益を得にくい』という現象をもたらしている。

では、日本ワイン産業が持続的な発展をする為に、価格面からの取り組みはどのようにしたらよいのだろうか。

生産者側からの視点としては、農地の集約化により、規模メリットを追求する事が考えられる。非常に保守的な日本の農村社会なので、土地の流動化がどこまで進むかは不透明だが、農業従事者の高齢化や政府の進める農業政策により、以前に比較して集約化はし易くなっただろう。とはいえ、土地価格が高い日本では、まとまった農地を確保する為の資金を確保する事は難しい。加えて、点在する小面積の農地を管理する方法では、作業効率の面からみてもコストは割高になる。

購入ブドウの比率を下げて自社農園産ブドウの比率を高める事は、原料費からみるとワインの生産コストを下げる事にも繋がるが、人件費や労務管理費の増大により、逆にコスト上昇の恐れもある。

パネリストの玉村豊男氏からの説明で、家族がワイナリー経営で生活していく為には、3haの自社畑が必要だとの説明があった。既に農地を保有している者ならともかく、新規就農者にとっては高いハードルだろう。

耕作放棄地等の休耕地を借り上げて、ブドウを栽培する事や地域JAとの協業により、良い品質のブドウを安定的に供給できる体制づくりを、行政と共に模索したいところだ。

消費者からの視点として、輸入ワインと比較して割高と感じるかもしれない日本ワインだが、『フェアトレード』の観点からみれば、日本ワイン生産者や、それを扱う流通業者に適切な利益をもたらす小売価格設定を納得する必要がある。もちろん、品質に難があるワインが増えても困るので、生産者は、一層の製造技術の研鑽に取り組んで頂きたい。

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最後に五味丈美氏、三澤彩奈氏、そして川邉久之の3名で記念撮影をさせて頂きました。

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